不思議なお話No 59 アブダクション(宇宙人による地球人拉致事件)をご存じだろうか?

 
 宇宙人による地球人拉致事件とは何とも物騒な表題だが、僕の記憶では1980年後半から1990年前半頃にかけて、そのようなトンデモナイお話しが日本のTVの特番で毎週のように取り上げられていた時期があった。事件の内容はUFOに乗った宇宙人が地球人を拉致し身動きできない状態で極小金属チップをその体内に埋め込むという恐ろしい話である。

 この謎のチップ挿入は「エイリアン・インプラント」と呼ばれており、宇宙人によって主に鼻孔に異物を挿入されること、或いは挿入された異物のことを指し、UFO専門誌によると、こうした事例は珍しいものではなく、UFOやエイリアンとの接触を証言する人たちのうちの少なくない人々が、実際に科学的に説明し難い異物がインプラントされてたのだそうだ。

 この情報の発信元は米国で、この信じがたい体験談を語る人々が次々と現れ、TVを始めとするマスコミもこの事件をこぞって取り上げることにより全米から世界へと飛び火した。日本でも矢追純一氏がいち早く取り上げると、彼は瞬く間にマスコミの寵児となり、その続報を次々と報道し世間を騒がせ続けたのである。

 とはいえ、事が事だけに、誰もがそんな馬鹿な〜とは思いつつも、UFO目撃証言は世界中から寄せられていたし、その映像もお茶の間に日常的に流され、更にその当時の米国大統領レーガンとロシアのゴルチョフ書記長が共同コミュニケで宇宙人との対決姿勢を宣言したり、果ては世紀末の1999年7月「アンゴルモアの大魔王が空から降って来る」などという破天荒な予言書が大ベストセラーとなる等、騒然とした時代背景があったことも確かで、今から思えばそうした一連の流れと何らかの関係がありそうな気もしないではない。
 
 さて、不思議なお話NO21 ロシアの隕石とUFOについてでも述べたが、この地球上ではUFOに関して、立場の違う二つの勢力が互いの思惑を賭けて鎬を削っていた。この二つの勢力を大まかに分類すると、UFOの存在を肯定し政府が収集した関連情報の開示を求める勢力と、UFOの存在自体を否定し、これを一般の人々から隠そうとする勢力である。前者は一般市民や研究者がメインの非組織的勢力であり、後者はその支配下に大手マスコミを抱えて世論を自在に操る事も可能な資金豊富な組織立った勢力であった。
  ここに言う「政府が収集した情報」の中でも特に当時の人々が関心を抱いていたのは、1947年7月、米国ニューメキシコ・ロズウェル付近で墜落したUFOが米軍によって回収されたとする事件の情報であった。UFOの未知の推進力、未知の金属に関する興味は尽きなし、まして宇宙人の死体まで回収されたとされていたというのだから尚更である。
 そして、ある時、常に劣勢を強いられていた、一般市民や研究者たちの勢力が、軍事に関連する元政府研究機関職員を協力者として確保し、彼からの機密情報をリークするという挙に出ることにより、立場を逆転する状況を作りだした。この元政府職員は生きたエイリアンの存在を暴露したのである。米軍が回収したのは死体だけではなかったことになる。まさに大逆転ともいうべきスクープだった。

 この途方もないリーク情報でTVを中心とするマスコミ業界は騒然となり大いに盛り上がったのだが、僕の好奇心はそれから間もなく急激に萎んで行くことになる。ここで、この二つの勢力を長年ウオッチしていた僕の経験を基に、この事件のその後の経緯と、何故僕がこのアブダクション事件に興味を失ったのかについて述べたいと思う。
 
 この二大勢力のうち資金豊富な組織立った勢力は、実は海千山千のプロパガンダの専門家を抱えていた。彼らはこの元政府機関研究員の主張を否定するのではなく、エイリアン達は単に鼻孔にチップを挿入するというだけではなく、更に信じられないような残虐行為を行なっているという偽情報をTVで流し始めたのである。
 それがどのような内容なのかと云えば、実は宇宙人たちは生殖機能を失っており、その生殖機能を取り戻す実験の為に人間の生殖組織を切り取り培養しているとか、人類と宇宙人の混血種を作る為の実験動物として人間が捕獲されているとか、或いは米軍は宇宙人の人類に対する残虐行為を容認していた等々で、元米軍関係者と称する人々によるこれらの過激で類似した証言がマスコミを賑わせるたのである。

 彼らの目的は、残虐な偽情報を流すことにより、人々にこの宇宙人による地球人拉致事件に嫌悪感を抱かせること、更に話しが残忍過ぎればその信憑性に疑問視するする人も出てくるはずで、徐徐にこの事件に対する興味を失わせるのに成功することになる。
 さすがの私もここまでくると、検証しようがない上に、あまりの荒唐無稽さにあきれ果て、これ以上情報を追いかける気も失せてしまったのである。
 
 このアブダクション(宇宙人による地球人拉致事件)の一連の騒動は、これより10年ほど前、1970年代に世界的に波及したラエイリアンムーブメント(不思議なお話NO21 ロシアの隕石とUFOについてを参照)によって形作られた宇宙人像、つまり非常に聖書的で平和と愛の伝道者という宇宙人像を完璧に破壊するという意図があったのだと思われる。
 今日現在、宇宙人といえば不気味なアーモンド眼(まなこ)のグレイが相場になっていることを思えば、彼らの狙いは半分は功を奏したのかもしれない。ここで半分と云ったのは、グレイを可愛いと思う人もいるからである。

 以上は45年以上前のお話だが、人生と云うのは面白いもので、時々まさかと思うような不思議な出来事が起こる。
 
 実は、ここにきて、僕のもとにトンデモナイ情報が飛び込んできたのである。どんな情報かと言うと、たまたま、僕の身近な友人の中にアブダクション被害者がいて、僕が45年ほど前にTVで見聞きし、その信憑性に疑問を抱いた奇妙な話を、たまたまその友人から直接聞くことになったということで、僕にとって実に面白い展開であった。

 とりあえず、その友人の話をしよう。

 彼は僕の幼友達であった。幼少時代、最も長い時間を共有した仲でもあったし、互いの家の造作も知っていたし、母親どうしも知り合いだった。彼とは社会に出て以来疎遠になっていたが、何年か前に旧交が復活し飲む機会を得て、僕はいつものように彼にこのホームページを紹介したのだが、これが或いは事の始まりになったのかもしれない。

 つまり彼は僕のエッセイ「トンデモナイお話」を読み、僕が彼の体験談を何の偏見なしに聞く耳を持っていることを認識したということ、そしてこれまで誰にも話したことのない自分の体験談を僕に告げようと決意したということである。

 ある時、彼がお酒の席で
「俺の体験談を信じるか否かはどっちでもいいけど、実はね.....」と語りだした時の表情は、日本を代表する大企業の元幹部(子会社の常務)のそれではなく、中学時代、彼がアマチュア無線のマイクを手にし、英語で海外の同好者に応答を呼びかけている時に見せた時の表情を、僕にお思い出させた。それは恥じらいと少しの誇らしさを滲ませた表情だったが、当時、彼がアマチュア無線で海外と交信していると聞いて、僕が無理矢理それをやらせた時の一場面である。


   それでは彼が語った話をここに再現してみよう。
 

  彼はいつの頃からか鼻の奥に微かな異物感を覚えるようになっていた。とはいえ、少なくとも子会社の役員に就任した55歳の時、お決まりの人間ドッグドッグを終えた直後に、我が体に何の異常もなし、とはっきりと自覚した記憶が残っており、あの当時は鼻に異物感などなかったことは確かなのだ。
  或いは、その後60歳を越え、、実務から解放されて以降、ビルからぼんやりと雲を眺めることも多くなり、その度に激しいくしゃみに襲われたことと何か関係が有るのかもしれないと思ったりもした。

  そんなある日のこと、まるで鼻の奥で小さな虫が蠢いているかのようなむずむず感に襲われ、急ぎティッシュを手に取り思い切り鼻をかんだ。その一瞬、かねてから覚悟していた時が訪れたことを悟った。鼻の奥に巣くっていた異物感が綺麗に消えたのである。そして恐る恐るティッシュを開いて中を覗いた。予感していた通り、そこにはごくごく微小な異物が鈍い光を放っていたのである。   

  実を言えば、この1月の間に、フラッシュバックのように甦る、それまで夢だとばかり思っていた途切れ途切れの記憶が一つのストーリーとして形成されつつあった。その一つ一つは独立した映像として脳に記録されており、順番に並べてみれば、そこで何がが行なわれ、その何かがその異物と関係していることは確かであった。

  その途切れ途切れの記憶の最初のものは、柔らかな光に包まれ我が身が宙に浮いていて、眩い発光源が目の前に近づいて来る光景である。

  次は、光に満ちた真っ白な部屋、人の気配はするが視界には映らない。話し声は聞こえるが、それが何語なのか、さっぱり分からない。彼はアマチュア無線で世界各国と繋がていたから、話せないまでも何語であるかは大体見当は付く。

  急に、話し声がやみ部屋が静かになった。部屋の明かりが僅かに落とされ、逆に目の前の光が徐々に強くなって行く。眩しくて何にも見えない。鼻腔に微かな刺激を感じた。痛みはないが何かが挿入されたと感じた。

  最後は自分部屋、そしてベッド上、そこで目覚めた。ふと、点滅する光に気付いて顔を傾けると、窓のカーテンがオレンジとダークグリーンに交互に塗り替えられていた。そして、一瞬、強くオレンジが光を増したかと思うと、全ての光は消えていた。

 

  これが彼の話の全てである。彼に確認したことは下記の2点。
1)極小金属チップの現在の所在は?
2)極小金属チップの人体や精神に与えた影響は?
1)については、極小金属チップを指先につまんだ瞬間、気味が悪くなって、その場で放り投げてしまったとのこと。部屋の絨毯の何処かにあるかもしれないが、定期的にクリーニングが入るので所在は不明。
2)については、少し考えてから次のように語った。
  これまで何度も仕事上決断を下す場面があったが迷うことはなかった。自分は先が読めると言いたい訳ではなく、何故か何時でもどちらの方向に進めば最良なのか分かっていたような気がする。もしかしたらのあの金属チップのお陰だったのかもしれない。
 以上は参考まで。

  殆どの皆さんは、これまでの話を聞いただけでは彼を信じるか否かの判断はできないと思うが、僕は彼が嘘を云うような人間でないことを知っているので、彼は真実を話していると判断している。僕は以前からUFOの目的は地球人類の監視であると考えていたので、UFO搭乗員によるアブダクションは実際に行なわれていたとあらためて確信した。
  つまり人類の監視の為のモニターの採用であり、友人が言うようにその金属チップにより予見能力が彼に与えられたとしたら、それは一種の迷惑料と考えれば納得がゆくし、もし、僕がUFO搭乗員と同じ使命を帯びていたとしたら、同じようにモニターを捕獲したかもしれない。
   

   さて、皆さんもご存じかと思うが、今年2021年6月25日、まさに衝撃的とも言える米国防総省のペンタゴンUFOレポートが公開された。これにより、これまで述べてきた二つの勢力が長年論争してきた最初の命題、「UFO存在するのか?」に対する結論が出され、UFOの存在は世界的に事実として認められたのである。
  ここで興味深いのは、これまで情報開示を頑なに拒否してきた国防総省を動かしたのは元米国大統領トランプであり、このトランプを失脚させた勢力が、何度も述べてきた「その支配下に大手マスコミを抱えて世論を自在に操る事も可能な資金豊富な組織立った勢力」と同じだということ。
  ただ、既にこの章もかなりの長さになってきているので、この興味深い問題については次回に回そうと思う。

 
 何時になるか分からないが、それでは次回と云うことで・・・。

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