不思議なお話No44−2 宇宙の水平線

 

 この文章は「不思議なお話44 君は宇宙の中心にいるんだよ その1」と同じ文章なのですが、内容がトンデモの範疇に入ると思いこちらにも掲載しました。

 さて、宇宙には大海原と同じように水平線があります。宇宙のどの方向を観測機器で覗いてみても150億光年の距離で途切れてしまうのです。これが宇宙の水平線で、観測の限界線とも呼ばれています。
 それをビッグバン理論では宇宙の水平線近くの星団の遠ざかるスピードが光速度に達するため光りは永遠に地球に届かないと説明しています。でも、もし届かない光りがあるのなら、150億年前のさらに過去があるのでは? という疑問を感じてしまうのは僕が素人だからでしょうか? 
 ところで、この宇宙の水平線がどんな形かといいますと、まず自分のヘソを中心に身長と同じくらいの円を描いてみてください。次にその円の半径を150億光年の長さまで拡大します。イメージ出来ましたか? 貴方の体は、半径150億光年の長さのCDのようなディスクによって真っ二つにされています。さらに、その円をヘソを中心に幾つも幾つも無限に増やしていって下さい。
 貴方は上下左右どちらの方向を見ても、半径150億光年の距離のある球体の天上に囲まれています。これが宇宙の水平線・観測の限界線です。ビッグバン理論は爆発の中心が何処であったか明言していませんが、貴方から見て全方向が150億光年の天上ということは、地球がビッグバンの中心になってしまいます。それはヘンだということになり、観測者が何処にいてもそこが中心となるように見えるという宇宙原理を設定しています。つまり、たとえば貴方がアンドロメダ星雲のとある惑星で観測してもそこが宇宙の中心のように見えるということになります。
 (でも、これって当たり前ですよね。だって光りが届かなくなる距離が150億光年なら何処で観測したって同じように見えるはずですから。どうも学者の考えていることは素人には理解できません)
 そしてこの天上が猛スピードで遠ざかっているというのがビッグバン理論ですが、この遠ざかっているように見える原理が、宇宙の赤方偏移(注1)をドップラー効果(注2)と解釈した結果なのです(詳しくは(注1)(注2)参照)。ところが、僕の尊敬するトンデモ本作家にして現代物理学の最先端理論家であられるコンノケンイチ先生はこの赤方偏移をドップラー効果と解釈したこと自体が間違いだとおっしゃっておられます。そして僕も遠ざかっているのではなく、実際に空間が曲がっているのだと考えていました。
 僕がそのように考えていた理由は「棒磁石の磁力線は、N極からS極へと放物線を描くように回り込んでいますが、N極から真っ直ぐ伸びた磁力線は真後ろからS極に戻ってくる」という事実から想像した宇宙の姿、つまり空間が曲がって一回りする無限記号「∞」こそ宇宙の真の姿なのだと、若かりし頃勝手に思いこんだこと、そして「宇宙を見上げる僕らの視線をずーっと辿ってゆくと、僕ら自身の意識に辿り着き、逆に僕らの意識の深淵をどこまでも潜ってゆくと集合的無意識を通り過ぎて宇宙に至る」といった宇宙を夢想していたことがあげられます。
 僕の二つの理由は勝手に思いこんだり、夢想したりで何の根拠もありませんが、コンノ先生の展開する宇宙論は僕の思い描く宇宙に非常に近いものだったので、すっかりその虜になってしまいました。
 これから、そのコンノ先生の語る宇宙を皆さんに紹介しようと思っているのです。うまく表現できるか分かりませんが、最大限の努力をするつもりです。皆さんも、その思いのほか単純な宇宙の姿に驚かれると思います。
 
 先ほど宇宙の水平線の説明をしましたが、地球から見た球体の天上を思い起こしてください。コンノ先生は、宇宙のあらゆる形有るもの、素量子から地球、そして宇宙そのものも、球体であると主張しています。素人の僕は、その宇宙の球体は何に囲まれているのかなどと考えてしまいますが、それはビッグバン理論とて同じことで、我々は内側から観測するしかないのですから無意味な疑問かもしれません。
 次に、コンノ先生は、大海原の水平線に着目します。大宇宙を考える前に、この地球の水平線という現象について考えたのです。そこにヒントが隠されているかもしれないということです。

 さて、貴方が今、大海原にゴムボートで漂っているとします。視界は360度一定の距離の範囲しか見えません。何故なら地球は丸いので水平線の向こうは海面が下に曲がってしまうからです。コンノ先生は、これが先ほど述べた「宇宙のどの方向を観測機器で覗いてみても150億光年の距離で途切れてしまう」という原理に通じると考えたわけです。違うのは球面上の現象と、球面を見上げた時に起こる現象というだけです。
 つまり原理だけを取り出してみれば、「どこで観測しようとそこが宇宙の中心になってしまう」という宇宙原理は、ゴムボートが何処を漂っていようと、ゴムボートが360度の水平線の中心にいるのと同じことになります。ということは、水平線は大海原のごく一部でしかありませんから、宇宙の水平線もそのごく一部にすぎないとことになり、宇宙は我々が想像する以上に巨大だということになります。
 ところで、この水平線の論法はビッグバン論者も風船(拡大しつつある宇宙に見立て)を使って説明しています。膨らみつつある風船の表面に均等に黒丸を散らします。そのどの黒丸まるから周りを見ても、膨らみつつある風船の黒丸は均等に拡大するように見えますから、最初に任意に選んだ黒丸が宇宙の中心になると言うわけです。
 しかし、コンノ先生は、これはあくまでも海の表面、そして風船の表面の二次元ですから、これをそのまま宇宙に適用することは出来ないとしながも、この現象を三次元で表現しようと試みます。地球も球体、宇宙も球体ですから、原理は同じはずと言うのでです。要は大海原の水平線という現象を、三次元で、立体的に表現できればよいのです。そしてこう結論します。

 海の水平線を『貴方を中心に上下、左右、前後の全方向に重なり合い、宇宙全体へと収斂されていると考えればよい』

 イメージし易いように図示します。下の左図の円は地球の側面図、縦線は水平線の限界線(分かりやすくするために大きく取っています)、この縦線に仕切られた右側の円弧が貴方が見ている水平線、この水平線の中心の小さな○が貴方です。
 下の右図は貴方を中心に上下・左右に海の水平線を展開しています。そして上下・左右の水平線の端を繋げると八角形が描かれます。さらに貴方を中心に同じ円を展開してゆきますと八角形は円を描くことになります。イメージできましたか? でもこれで終わりではありません。上下・左右だけでは三次元になりません。前後が残っています。
 真ん中に描かれた円(イメージ)を前後に展開してみてください。手前と後ろに円を描き続けてゆくと球体が出現します。海の水平線が三次元の水平線になったわけです。これがコンノ先生の思い描く宇宙の水平線です(だと思います)。つまり、その球体のどの点に焦点を当てて望遠鏡で覗いても、そこから空間が曲がってしまいますので、それ以上は見えなくなるわけです。

 そして下が、左の円を貴方を中心にして360度展開した図です。これは地球の水平線を宇宙に見立てて宇宙の水平線をイメージしたものですが、実際の宇宙の水平線はこの図からいけば、単なる点に過ぎないかもしれません。



(注1)宇宙の赤方偏移
  主に天文学において、観測対象からの光(可視光だけでなく全ての波長の電磁  波を含む)のスペクトルが長波長側(可視光で言うと赤に近い方)にずれる現象  を指す。
(注2)ドップラー効果
  発生源(音源・光源)が近付く場合には波の振動が詰められて周波数が高くなり、  逆に遠ざかる場合は振動が伸ばされて低くなる。例えば、救急車などが通り過   ぎる際、近付くときにはサイレンの音が高く聞こえ、遠ざかる時には低く聞こえる  のはこの現象によるものである。
 ビッグバン理論ではこの赤方偏移を星が遠ざかっていると解釈ししています。この解釈が崩れればビッグバン理論も同様に崩れます。


 

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